Nikon F3H

ニコンは新型モデルやカスタムモデルをオリンピックの年によく発表します。 Nikon F3H は長野オリンピックが開催された1996年にプロサービスにて限定受注生産された、高速連写用のカスタムモデル。最高性能は秒速最高 13.5コマ。これは 36 枚撮りのフィルムを 2.6 秒ほどで撮りきってしまうスペック。ベースは Nikon F3P で、高速連写用にボディーとモータードライブを改造してあります。総生産台数は1,000 台以下だと言われています(未確認情報)。Nikon F や Nikon F2 のシャッターに比べて高速連写には向かないとされていた F3 のシャッターですが、その認識を覆すが如くいきなり登場した史上最速の超絶性能を誇る「スーパーカスタム F3」です。


連写速度の比較(@1/2000 秒シャッター)

Model 36 Exp. (MN-2) 36Exp. (アルカリ)
Nikon F3H 2.6 Sec. 4.9 Sec.
Nikon F3HP/MD-4 5.5 Sec. (Mirror-Up)
6.5 Sec. (Mirror-Down)
8.3 Sec. (Mirror UP)
9.2 Sec. (Mirror Down)

さすがに F3H の連写能力は圧倒的。ちょっと気を抜くとあっという間に36枚撮り1本を撮り尽くしてしまう。F3H付属のMD-4Hには強制的に6コマで連写を止める機構が設けられているので、反射神経に自信の無い人はオンにしておきましょう(笑)ちなみに機関銃にも兵士がパニック撃ちするのを防止する為に同様の機能が設けられているそうです。

F3H/MD-4Hのシャッター音は、ノーマルのF3HP/MD-4の音が「チキーッチキーッチキーッ」という音に対して「ガガガガガガガガガガガガガッ」と、ヤル気まんまんで戦闘的。普通のカメラの音色とは全く違い、巻き上げがデタラメに速いのでこれはこれで気持ちいい。ただフィルムには悪いのではないか、と余計な心配してしまうのが難点ではある(笑)ちなみにモードラを使わないで手巻きでシャッターを切ると、シャッター音はノーマル F3 をミラーアップした状態の「ペチッ」と言う音と非常に近くなる。しかし若干音色が違うので、やはりシャッターも特別製なんだと思う。


デザイン

Nikon F3H のデザインはノーマルのF3HPと細部で微妙に異なり、全体的の印象はよりゴツゴツした「男の道具」の雰囲気を醸し出している。DE-5 は F3P、F3 Limited でも採用され、DE-3 よりもスパルタンな印象を受ける。

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Nikon F3H と Nikon F3HP のデザイン上の違い

■ ファインダー

■ ファインダー上部にシューを追加。
■ ファインダーの素材にチタンを採用。
■ 縮緬塗装が施されている。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ アイピースシャッターを省略。アイピースシャッターレバーを廃止。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ フラッシュ用信号伝達ピン2本がファインダーの下に増設されている。

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■ ボディー

■ ミラーアップ機構を廃止。ミラーアップレバーも廃止。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ ミラーにハーフミラーを採用。透過率70%(撮影用)反射率30%(ファインダー用)。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ レンズの絞り値をボディーに伝えるツメを省略。
■ レンズ絞りと露出計は連動せず、絞り込み測光となる。
■ ミラー構造の違いから、モルトの有無の違い、開口部の大きさに違いがある。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ F3H以外のモデルの「絞り込み」ボタンが、F3Hでは「絞り開放」ボタンになっている。
■ 「絞り開放」ボタンの高さがマウント部よりも高くなっている(マウントの高さと比較して下さい)

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ レンズを装着すると、レンズ側で設定した絞り値まで自動的に絞り込まれる。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ 多重露光機能を廃止。多重露光レバーも省略。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ 電源のオン・オフボタンがメカニカルのロック機構が付いたものに変更。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ セルフタイマー機構の廃止。セルフタイマースイッチの省略。
■ セルフタイマーLED部分は黒いプラスチックカバーで覆われている。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ フィルムカウンター窓の形状を三角から丸型に変更。
■ フィルムカウンターの文字盤の色を、青から白に変更。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ フィルムスプロケットを黒から白に変更。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ 裏蓋を開ける際のロックレバーの省略。巻き戻しクランクを上に強く引くだけでバックが開く。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ バックにMF-6Bを標準装備。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ シャッターダイヤル、シャッターボタンなどのツマミ類が、より高い位置に設定されている。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ シャッターボタンに防滴用のゴムカバーが付いている。ケーブルレリーズの使用はできない。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ ISO感度設定目盛り部分に防滴窓を増設。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ シリアル番号の頭に「H」の刻印。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ 1/80秒の空写し機構を廃止。
■ その他外見からは確認できないが、防塵・防滴性能の強化。

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モータードライブ

■ 6コマで強制的に停止するスイッチを増設。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ ノーマルの MD-4 と比較して、MD-4H のボディーへの信号伝達用ピンの本数は1本多い。

Nikon F3H

Nikon F3HP

■ シリアル番号の「H」の文字

Nikon F3H

Nikon F3HP

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以上、エンドユーザーが見て分かる範囲の違いをリストアップしてみました。スペックだけでなく、外見的にもF3HはF3ファミリーの中で一番戦闘的でスパルタン。Nikon F5 もかなりスパルタンな雰囲気を醸し出していますが、どちらかと言うとF3Hのデザインの方が「鍛え上げられた」男性的な印象。

ちなみにこの F3H は私の永久保存版カメラです。


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