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Nikon Coolpix 5000

2001年に登場した、Coolpix シリーズのフラッグシップモデル。500万画素の2/3型CCDを登載し、レンズは35ミリ換算で 28mm - 85mm (F2.8 - F4.8) の3倍ズームレンズ。液晶パネルは自由なアングルに回転するタイプ。大きさは写真で見るよりもかなり小さくて、F5 などに慣れた私の手には小さすぎる感じ。でも本体発売から7ヶ月以上経ってからやっと発売になった MB-E5000 という縦位置グリップ(兼バッテリーパック)を装着すると、かなり持ちやすくなります。ここでは細かい機能の説明は省いて、私が使ってみて感じた事を書きます。

■ 購入動機

高画素数、ズームレンズ、ホットシュー、USB 接続、Coolpix 700 の調子が悪かった

■ 第一印象

デザインはオリンパスのCAMEDIAに似てるなー、と言うのが素直な第一印象です。色使いは私の好みのブラックとシルバー。材質はマグネシウムで表面塗装はニコンのハイエンド機の象徴である縮緬塗装。とても小さくて、妙にメカメカしくて、こういうのが好きな人のウケはとてもいいと思います。

■ 機能

もう嫌になってしまうほど多機能(笑)本体の小ささに反比例して、マニュアルの分厚いこと…。一眼レフのようにマニュアルモードや絞り優先モード、シャッター優先モードがあって便利です。。もちろんプログラムモードは標準。自分好みの設定(AF モード、ホワイトバランス、フォーカスエリア、その他)を3パターン記憶できる機能もついていて、とても便利です。ROM のバージョンアップで RAW 撮影も可能。アクセサリ類も充実しています。

■ レンズ

35ミリ換算で 28mm - 85mm (F2.8 - F4.8) の3倍ズームレンズ。解像度とか発色とかをこのクラスのデジカメで論じる意味は無いので割愛しますが、歪曲は Coolpix 700 と比較すると少な目でイイ感じです。ただ、少し暗いかな、という感じはあります。デジカメのレンズは明るくしやすいので、もっと明るくして欲しかったですね。でも広角寄りのレンズは稀少価値があってグッド。

■ 液晶パネル

使ってみれば分かりますが、回転式の液晶パネルはとても便利です。コレ偉大なアイデアだと思います。どんなアングルでも撮れると言うのは、表現領域が広がって素敵です。「地上高ゼロ」の撮影でも「万歳スタイル」の撮影だって簡単にこなせます。ただ、液晶そのもののクオリティーは低くて、アングルによってはソラリゼーション状態になってしまいます。もっと広いアングルから見れるような影響を採用しないと、せっかくの回転式も価値半減です。

■ 内蔵フラッシュ

ほとんど使い物になりません。特に調光センサーがグリップに近すぎて普通の人が意識せずに撮影すると、ほぼ100%露出アンダーになります。調光センサーに干渉しないように撮影するには、握り方を工夫しなければなりませんが、とても不自然な握り方になります。これは大きな欠陥です。

■ 外付けフラッシュ

Coolpix 5000 に手を出した最大の理由がコレ。今までデジカメを使って来て一番不満だったのが、内蔵フラッシュの光量不足。Coolpix 5000 に SB-28 をマウントして撮影しましたが、結婚式のような場面でも光量には全く不足はありません。ただ、調光精度には疑問が残ります。特に近距離だと「全く調光してないんじゃないか?」と思えるほど真っ白にぶっ飛んでしまうんです。

それでも外付けフラッシュは本当に重宝しています。特にブツ撮りには有効です。上の写真は内蔵フラッシュ(左)と外付けフラッシュでバウンス撮影(右)ものの比較。

■ 画質

画質は500万画素なので悪くはありません。感度を上げるとノイズがかなり目立ってくる事以外、特に不満はありません。実用は ISO 400 まで(いや、400 でもツライかな)。これはうだうだしゃべるより、実際の作例を見てください。

■ AF 性能

ハッキリ言って Coolpix 5000 の AF 性能はダメです。特にちょっと(ホントにちょっと)暗いシーンや接写の時の精度の低さときたら、イライラを通り越して諦めてしまいます。ピント精度に限れば、Coolpix 700 に完全に負けてると思います。じゅうごまんえんもする Coolpix シリーズ最高峰(2001 年現在)デジカメがこんな事で良いのでしょうか?このカメラで「パッと撮る」事を期待してはいけません。フォーカスが合うまでじっくりゆっくり、気長に大きな心で臨みましょう。

(注: Coolpix 5000 とニコンの名誉の為に一言。後にリリースされたファームウェアアップグレードで、ピント精度は飛躍的に向上しました)

■ 造り

全身マグネシウムのボディーは高級感と精密感でいっぱい。Nikon F5 を小さくしたような感じのカメラです。ただ肝心なパーツがプラスチックでできているのはいただけません。例えば液晶画面とそれを支えるヒンジの部分。一番稼働する部品がプラスチックなおかげで、液晶モニタとボディーをつなぐ部分がヒビ割れてます。

■ その他

ストラップ用の金具が高級一眼レフと同しものなのは良いんですが…。デジカメ本体が異様に小さいので、ストラップの金具が大きく感じて、持った時にちょっと邪魔かも…。

Coolpix 5000 には各写真の撮影データを「INFO.TXT」と言うファイルの残しておけるので非常に便利。データの内容は以下のような感じです。もっとも最近の Photoshop などでは EXIF データが閲覧できるので、テキストファイルで残す必要もなくなりましたけど。

DSCN1737.JPG
CAMERA : E5000V1.6
METERING : MATRIX
MODE : A
SHUTTER : 1/27sec
APERTURE : F5.4
EXP +/- : 0.0
FOCAL LENGTH : f12.4mm(X1.0)
IMG ADJUST : AUTO
SENSITIVITY : ISO100
WHITEBAL : CLOUDY
SHARPNESS : OFF
DATE : 2002.07.28 17:55
QUALITY : FULL FINE
SATURATION : 0
FOCUS AREA : LEFT

■ オプション

MB-E5000

縦位置グリップ兼バッテリーパック。私の手には小さすぎる Coolpix 5000 もコレでとても持ちやすくなりました。また、コイツには縦位置シャッターとズームボタンも付いています。バッテリーは単3型電池が6本入り、標準の EN-EL1 リチウムイオンバッテリと比較して50%電池が長持ちします。たくさん撮影する場合にオススメ。

HN-E5000

専用フード。この写真で見ると巨大ですが、これは Coolpix 700 の広角レンズで撮ったからパースがついてる影響で、実際はこんなに大きくはありません。金属製のフードで、外で使うにはゼッタイあった方がいいですよ。

HL-E5000

LCD 用のフード。野外で液晶が見えづらい時に装着。これは効果抜群。私はコンパクトデジカメの場合はほぼ100%液晶を見て撮影するので、これは欲しかった。ゴム製で使わない時はある程度畳めます。しかし作りはチャチでこれが 300 円以上するのが信じられない(実際は 3,500 円もするんです!)。

SL-1

マクロ撮影時の照明用のアクセサリー。高光度 LED でレンズの前の被写体を照らします。実際は光量が全く不足で被写体にグッと近づかないと全く効果なし。一眼レフの接写用リングフラッシュを連想させますが、リングフラッシュだと持って購入するとガッカリします。Coolpix 5000 の AF 補助光だと思って使ってください。しかしそんな使い方しかできないワリにはべらぼうに高いと思います。それ以上に電源に CR-2 を2本も使う為に、ランニングコストが異常に高くて実用的ではありません(外部電源はオプションで用意されている)。個人的にはトレッキングなどで薄暗い森の中でキノコとかの撮影に使えるとは思いますが…。あとご覧の通り照明方法が独自で光沢のある被写体に SL-1 の光が映り込むので、被写体を選ぶ結構使いにくいシロモノです。オススメしません。

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■ 作例(写真をクリックするとオリジナルをご覧頂けます)

シアトルの夜景を長時間露出

Nikon Coolpix 5000
ISO 100, 85mm
絞り優先 F7.6 @ バルブ (20秒)

感想: 若干のノイズは出るが、かなり綺麗に撮れることが分かる。ノイズリダクションはオフです。

薄暗い森の中でリスを手持ち撮影

Nikon Coolpix 5000
ISO 400, 85mm
絞り優先 F4.4 @ 1/30

感想: ISO 400 モードでの撮影。背景が作例のようにごちゃごちゃしていればノイズが分かりづらい。


■ 感度の違いによる画質の変化


ISO 100, 12.4mm, 1/27 Sec. @ F5.4

ISO 200, 12.4mm, 1/54 Sec. @ F5.4

ISO 400, 12.4mm, 1/95 Sec. @ F5.4

ISO 800, 12.4mm, 1/201 Sec. @ F5.4

雨の日の薄暗い日に感度を変えて同じ条件で撮影してみました。当然感度が上がるにつれてノイズが増えます。特にシャドー部分は顕著に現れます。画質的には ISO 200 までが限界ですね。ISO 400 でちょっとザラついた感じなりますが、被写体によっては実用に耐える。ISO 800 ではちょっとね…。ISO 800 はあくまでも非常用です。個人的には ISO 800 使うくらいなら、ISO 400 で RAW で撮って増感現像します。あくまでも条件によりますが。


■ 全体的に

一言で言うなら「欠陥カメラ」だと思います。詰めが甘すぎます。システム全般の充実さは素晴らしいのですが、ただ AF 性能の低さ、そして致命的(というか使いもんにならん)とも言える内蔵ストロボの構造的問題などは、「欠陥カメラ」と言われても仕方のない程のものがあります。ニコンは何を考えてこのカメラをこの世に出したんでしょうか。

操作性は雑で多くの機能がメニューを何層も掘って行かないと設定できないかったり、ボタン類の押し心地が悪い(押したフィードバックがない)など使いやすいとは言えません。ただ回転する液晶は◎。大きさは無理矢理小さくしすぎていて、後継機の Coolpix 5400 で反省した感じがあります。

しかしやはりカメラだけに「結果」としての写真が最も重要。画質、色合い、解像度、どれをとって見ても 500 万画素らしく美しい。画質に関しては満足しています。